建築設計1年目でプログラミングを通して作りたいと思った機能
はじめに
この記事は「RUNTEQ Advent Calendar 2020( https://qiita.com/advent-calendar/2020/runteq )」のアドベントカレンダー9日目の記事として書いています。
どうも初めまして。一応ブログは作ってはみましたが、2ヶ月くらい放置していた人間です。建設系の設計部1年目社員として働きながら、RUNTEQでプログラミングの学習(Rails)をしています。アドバイスや反応を頂けたら幸いです🙏
勢いでアドベントカレンダーに参加し、今の自分で書けそうな読む価値のありそうな記事は何かなと思い悩んだ結果、仕事の中でこんなアプリがあったら仕事が楽になるのにと思ったことについて書くことにしました。色々アイデアはあったのですが、アプリとして作れそうな物は今回紹介できる3つに絞られました。
最初に言っておくと、かなり今勤めている会社にローカライズされてしまっていて、他の会社でも使えるような一般的なアプリ案ではないかもしれませんが、よろしくお願い致します。
前提知識
- 今勤めているのは化学系プラントの会社(中小企業)
- 創業から数十年経過しており、平均年齢は40才以上
- 業務の資料作成はOutlookのみで、一部マクロがあったりする
- 最近のITツールやアプリの使用(slackなど)は殆ど行われていない様子(使いたくても使わせてもらえない?)
- 紙が多い
1 物量計算アプリ
用途:作成する機器の面積・体積、数量などを図面から計算・集計
目的:計算・集計にかかる時間を減らし、計算ミスの発生を防ぐ
背景:
- 所定の性能を満たす機器を作成するのが設計の仕事であり、そのためには様々な計算を行う必要
- 計算に必要な値は紙の図面を用いて集計
- 仮に計算ミスが発生した場合、作り直しにかなりの費用と時間がかかる
- ミスに気づかないまま現場に納入してしまうと、後で設置時や運転時に重大な事故が発生する
- 現状、そのような事故は過去に起こってないようだが、何度も検算や作り直しは発生していた様子
- 客先からの要望で改造する必要が発生すると、面倒な計算を一からやり直ししなければならない
機能:
- 図面の指定した範囲の面積・体積を計算
- 図面の指定した範囲の重量を計算
- 図面内に存在する指定した記号の数を集計
- 対象の図面が紙や画像化されたPDFでも集計できるように、画像認識による入力が可能
- 計算した値は所定の書式にまとめて出力する(excelなど)ことが可能
要するに、物量計算は設計の要であると同時に、最も業務で手間がかかる作業であるということです。建設は設計のミスがあると、全体の工程に影響が出る可能性が高く、また改めて業者に材料と作成の発注をかける必要があるので、コストもかかってしまいます。これをもっと効率化且つミスのない正確な計算ができるようになればと、そのような余分なコストが発生しません。
図面を作成する際にCADを用いて作成するので、CADの機能を用いてAPIで計算・集計を行ってしまえばいいのではないかとも思いましたが、そのような機能付きのCAD(3DCADなど)を全ての会社が使える(使いこなせる)わけではないので、このようなアプリは結構需要があるのではないかと思います。
2 検査写真管理アプリ
用途:検査写真の撮影、保存、(共同)編集、整理などを行ってくれる
目的:検査写真の作成・整理にかかる時間を短縮
背景:
- 作成を外部の会社に依頼した機器には、こちらが希望した通りの性能になっているか検査を行う必要があり、検査時に指摘箇所があった場合は写真を撮影、それをまとめて会社に報告して修正してもらうことになっている。
- その撮った写真の整理方法が、会社規程のExcelシートに画像を一つずつ貼り付け、別用紙に書いておいた指摘事項を横に記載していくというもの。加えて、指摘事項だけまとめた表も別途作成。
- 上の方法の場合、指摘箇所の画像を探す手間が発生・一つずつ画像を貼っていくしかない・指摘事項は2度書かなければならないなどの面倒な作業が発生してしまう。
機能:
- スマホで撮影した写真に、番号・場所・指摘箇所・修正が必要かなどの情報を追加できる。
- 与えた情報を元に写真の並び替えや検索が可能。
- 2名以上の人が同じ検査ファイルを編集することが可能。
- 設定した書式で整理した写真の出力が可能。
- 写真に記載した情報だけをまとめて書式に出力することができる。
建設業において、検査写真の管理は課題の一つであるようで、検索したら既に検査写真を管理するアプリはあるようです。もしかしたら、それらのアプリを導入した方がいいのかもしれません。
実際、自分は業務で2回作成しましたが、かなり面倒でした。特に大変な中間検査と呼ばれる検査では、
- 2班に別れて全体を確認。
- 指摘箇所は全部で100は超えてくる。
- 班を別れて作成するため、同じ個所を指摘しているがあり、最終的にはそれらを一つにまとめる。
- 検査後の修正チェック時には、検査個所をまとめた資料を印刷し(60〜80ページ分のA4)を片手に現場を見て回る。
といった業務を行っており、整理が大変でした。現場で指摘箇所を大量の紙束の中から探すのが手間というのもあり、非常に効率が悪いと思った次第です。
3 機器台帳作成アプリ
用途:画像認識を使用した機器台帳の作成
目的:機器台帳作成の効率化
背景:
- 現在進行形で行っている業務で、各機器のモデルや型式、電圧や電流値などが書かれている銘板を見て、それをまとめた資料を作成。
- 機器によって書かれている項目が異なる他、同じ機器であっても案件ごとに項目が異なっている場合があり、何を書けばいいか分からない。
- 現場見て回って、銘板のメモを取るのが面倒だった。現場の人が予め写真を撮影してくれていたが、その撮影時点で台帳を作成できればと考えた。
機能:
- 画像認識による銘板記載項目の入力。
- 機器の製造社によって銘板記載項目の表記に揺れがあるため、流量=Flowと変換してくれる。
- 不要な項目を設定することでその項目の入力を飛ばしてくれる。
- 入力したデータは設定した書式で整理・出力することが可能
2の検査写真アプリと共通する点が多いです。異なるのは、画像認識を使って銘板記載事項の入力を省略するという点です。問題点も基本的には2と同じですが、案件ごとに記載項目が変わってくる場合が想定されるため、項目の選択や不必要な項目は読み取らないなどの機能も必要かもしれません。
言語について
肝心の言語については、フロント側はHTMLとCSS、一部JavaScript。サーバー側は基本Ruby、計算や画像認識の箇所はPython辺りになるのかなと勝手に思っています。実際にポートフォリオとして作成することが決まった際に、詰めて考えていく必要のあるところです。初学者なので、この辺りの認識が間違えていたらご教授願えればと思います。
共通の想定される課題
- 上の課題は自分が思っているだけで、他の人たちは改善すべき課題と思っていない。そのため、上のアプリは余計な物を作成しているだけになってしまう点。
- 改善すべき課題と思っていても、新しいアプリを導入して操作を覚えるが面倒だとされて、結局使ってもらえらない。
- 自分で新しい物を作るよりは、既存のアプリを導入した方が効率化を計れる。
上の課題はアプリによる効率化全てに言えることかもしれません。アプリ制作者側はできるだけユーザーに使ってもらえるようなアプリを制作する必要がありますが、全く使う気がないユーザーのためにアプリを作ることはできないわけですし。
終わりに
現時点の自分では、技術的な点で皆さんにgiveできる記事を書くのは難しいと思ったので、今働いている会社の設計業務の中でアプリに効率化できそうなことをまとめて見ました。また、近々作成するであろう自身のポートフォリオ作成時にも役に立つのではと思い、この題材を記事にしようとした点もあります。
建設業だけに限りませんが、IT化が進んでいない業界や会社は世の中にごまんとあるのでしょう。今であればもっと効率の良い方法で同じ結果をえられるのに、今までの方法を踏襲してきているパターンが殆どだと思います。そのような状態をアプリ制作を通して、少しでもましな状態にできれば素敵だな自分は思います(その割にブログ記事の更新頻度がアレですが…)。
来年のアドベントカレンダーはしっかりとした技術的な記事、もしくは作成済の上のアプリのどれかをどのように作成したか、実用しているかについて書いていることでしょう(多分)!
できれば来年まで覚えていて、「おっ、ちゃんと有言実行してる」または「やっぱり忘れてんじゃん(笑)」と確認して頂ける方を募集していますので、よろしくお願い致します。
では、皆さん良い年末年始をお過ごし下さい🎄🎍
皆さんRUNTEQで学習しよう!